クリッピング個人ニュース

Thursday, July 06, 2006

広告とECの融合でネットビジネスは新展開へ

http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0606/23/news019.html
ブログで開かれたEC第3ステージ

インターネット利用を加速させるオンラインショッピング。その動向から分かるのは、CGMとのかかわりと市場が従来までにはなかった販売形態へと変化していることだ。

この状況において特に重要な役割を果たしているのが、ブログやSNSに代表されるCGM(Consumer Generated Media)の存在だ。
 従来の広告や流通ではあり得なかった、インターネット独自の価値をもたらす本質であり、その出現は市場の質的変化にさらに拍車をかけ、状況を複雑化させている。

2000年以降の第2ステージでは、そうしたWebサイトとメールの組み合わせが重要な役割を果たした。音楽や書籍、衣料品など、筆者が特にECに依存している商財の購入について考察してみると、最近では、事業者からのメールを起点に買い物をするケースがほとんどになっている。
 確かに、いろいろな事業者から送られてくるメールに辟易している人も多いかもしれないが、お気に入りのショップから届くメールの効果は絶大だ。従来のチラシやDMが、店への誘導を目的にしたものだったのに対し、こうしたメールは、店そのものが新鮮な商財を持って出張してくる感覚に近い。購入の意思決定はそこでダイレクトに行われているわけだ。ECサイトで行われる簡単な決済の手続きだけというスタイルは、いちど慣れてしまうと極めて便利なものだろう。
 折からインターネットの普及拡大も手伝って、この間、EC市場も急成長することになる。取り扱われる商財の領域が多様化すると同時に、その深さが増すいわゆる「ロングテール」も一気に進んだ。いまやネットで買えないものはないのでは? と思えるほどだ。
 そして同じころ、Googleが新たな広告手法を生み出し、広告の世界にもロングテールを含めた新たなスタイルが持ち込まれた。時期を同じくして出現した、ブログやSNSなどが、一般生活者による情報発信を飛躍的に拡大したことも忘れてはならない。いわば情報発信主体のロングテール化も急激に進行しているわけである。

これらのツールが主流となり始めた2005年以降、ECは明らかに新たなステージに突入した。従来からある、Webやメールを使った手法はさらに洗練される一方であり、広告は限りなく購入手段に直結するようになっている。AdSense広告や各社のアフィリエイトプログラムのような、情報発信のロングテール化に対応した、新たな広告手法も整備されてきている。これがEC第3世代の主役である。

背景には、従来からある宣伝広告におけるコスト削減と効果性の可視化という側面に加え、消費者のニーズが、規模あるいは質的な面で従来のマス広告の上に乗せられることが難しい領域へとシフトしていることが挙げられる。
 ひと昔前の日本では、ブランド=企業名という構図が通例であったが、現在では企業は多数のブランドを抱えている。インターネットでも、企業名のドメインはもっぱらコーポレートサイトとして機能し、商品やサービスのマーケティングは、それぞれの銘柄を冠した独自ドメインで展開するケースが散見される。
 こうしたニーズの細分化に対し、かつては商品やサービスの集成として維持されて来たブランドは、いまやそれぞれの商品単位での競争に迫られている。その中心にあるのが、商品そのものであることは言うまでもない。しかし、激しい競争下で、商品による決定的な差別化を産み出すのは困難を極めているのも事実だ。
 一方で、従来のマス広告で多用されたイメージ戦略もまた、イメージそのものに対する感性がロングテール化しており、十分な効果をあげにくくなっている。

企業にとっての理想は、影響力のあるオピニオンリーダーに、自社の商品の優位性について雄弁に語ってもらう、ということにほかならないわけだ。しかし、この手法はひとつ間違えれば、何の効果も生み出さないばかりか、容易に消費者から反感や不信を引き起こしかねない危険性をはらんでいる。そのようなリスクを見極めながら、さまざまなトライアルが重ねられているのが現状だといえるだろう。
 新たな手法がまず成果を上げている領域として、旅行関連やグルメ、化粧品などの体験的側面が強い商財があるようだ。これらの商財については、以前からいわゆる口コミサイトが得意としてきた領域であるが、ブログなどの新しいツールは、さらに深く多様なオピニオンを集成することを目指す方向に動いている。

NEC総研では、先ごろ「ブログ・SNS利用者の実像」と題した報告書を発表した(関連リンク)。これは、先に述べたCGMの代表であるブログおよびSNSを利用するユーザーが、具体的にどのように使い、そこに何を求めているのか? が調査結果として記されている。実際に利用者が重複し、機能的にも似通った部分がある2つのサービスについて、その相対的な関係を明らかにすることを目的とした調査となっている。
 中でもアフィリエイトへの注目が高いこともECとのかかわりで欠かせないものだが、ユーザー動向を見れば女性の割合が高いことが分かる。未導入者7割のうち、3割は経験者だが、まだできていないという潜在利用者であり、やはりブロガーからの関心は高いようだ。未経験者の意見には、やり方が分からないといった仕組み上の難しさが障壁となっている意見が多く、未経験とコメントする人の中には、「効果がない」「お金儲けをしていると思われたくない」など積極的にそうした手法を否定する、ある意味「硬派」な意見も一定数存在する点は興味深い。導入者の約7割は、ほとんど成果をあげていないというのが実態であり、誰しもあこがれる「稼ぐブログ」の実情は厳しいものといえるのだ。

それでは、逆に月に500円以上の収入を得ているというブロガー達の実像とは、どのようなものだろうか。
 性別では、男性がやや多いもののあまり大差はない。世代別では、男性で35~44歳、女性では34歳以下が多い。
 また、エントリーを毎日更新する人の比率は、500円未満の者に比較してほぼ1.5倍であり、1日当たりに100以上のPVを記録するブログが、ほぼ半数近くに達する。
 さらにコメントやトラックバックなど、自己のブログへのリンクを張ることに積極的に取組んでいる傾向があり、特にトラックバックについては消極的な一般ブロガーに比較し、特に際立った活用をしている。ある意味多くの人に共通的な趣味に関する内容はむしろ控えめであることも分かる。その代わりに、「それ以外の自分の趣味」に関するものが極めて多くなっている。「仕事に関すること」が多いことも併せて考えるには、かなり専門的な内容に特化している様子がうかがえる。

(以上引用)

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